吉田進のパワーリフティングのこつ 第4回 - MEGA POWER -




第4回「デッドリフトはやりにくい?」

はじめてデッドリフトをやって「何てこの種目はやりにくいのだろう!」と思う人は多いと思います。
何も教えてもらわずにいきなりバーベルを引くと、ほとんどの人が腰高で、背中は湾曲し、腕は曲がり、わざわざ軽いバーベルを重たく感じるように引いてしまいます。
ただ持ち上げるだけという簡単な動きなのですだが、やはりまずは基本を覚えないと「難しい」種目になってしまいます。最初の印象で「デッドリフトは嫌い」となってしまう人が多いのも事実です。最初にちょっとしたアドバイスがあれば、後は簡単なんですが…。
と言うことで、今回は皆さんにデッドリフトが好きになってもらうための基本をお届けします。


1. グリップ

デッドリフトのグリップバーベルの握りは右と左を逆にします。右手を順手で握ったときは左手は逆手で、反対に右手を逆手で握った場合には左手は順手で握ります。左右とも同じ方向でバーベルを握った場合、重たくなるとバーベルが回転して手から離れてしまうからです。
左右の組み合わせは、自分のやりやすい方向が必ずありますから、やりやすい方向を自分のグリップとして下さい。


2. 構え

デッドリフトの構え脛がバーから数cm離れたところに立ちます。
その位置から両腕をだらりと下げたまま、ゆっくりとスクワットをするようにしゃがんでいきます。尻をやや後ろにつきだす感覚があります。しかし、その感覚はスクワットよりは弱いです。
ある程度しゃがむと腕がバーに届きます。この時、上に書いたような方法でバーをグリップします。
背中は反りもせず、丸まりもせず「普通にまっすぐ」という感じです。
顔は正面を見ます。腕は曲げずに、肩の力を抜きます。


3. 呼吸

ここで息を吐き、すぐに八分目ぐらいまで腹に吸い込みます。
そしてその息をぐっと腹に貯めたら、足の力で立ち上がります。
そうするとバーベルが伸ばした腕にくっついてくると言う感じで浮き上がります。
後はバーベルを体から離れないように気を付けて、体が直立するまで立ち上がるのです。
引くという感覚よりは、初めのうちはバーベルをぶら下げて立ち上がるという感覚を覚えて下さい。


4. 背中の前傾角度

デッドリフトの前傾角度構えの時の背中の前傾角度は人によって違いますが、目安は45度ぐらい。
初めのうちは背中を強化するために、初心者はナロースタンスでデッドリフトを行って下さい。
慣れてきたら、足を大きく開くスモウスタンスもトライしてみて下さい。
スモウスタンスでは背中の前傾角度はもっと立ってきます。


5. バーの軌跡

バーが上がっていくとき、バーを体から離してはいけません。いつもバーを体に密着させておく感覚が大切です。体からバーを離して上げるクセを付けると、将来、重たいデッドリフトに挑戦するとき、かなり不利になります。


6. フィニッシュ

デッドリフトのフィニッシュ時々みかけるのは、反り過ぎのフィニッシュ。
反り過ぎると腰に悪いです。
直立不動の「気をつけ」姿勢が理想のフィニッシュです。
胸はしっかりと突き出しましょう。
肩はリラックスしてでも胸は前に出ている姿勢。

7. 降ろすとき

バーを降ろすときが実は大切です。
引ききった安心感で、背中を丸めながら降ろす人がいますが、降ろすときも背中はまっすぐです。しかもゆっくりと床にバーベルを戻す感覚で降ろして下さい。
床にぶつけるのは(試合ではともかく)トレーニングではやらない方がいいでしょう。降ろすときも、効かすような感覚が初めのうちは大切です。足への力の入れ方が意識できるからです。

以上を意識して、デッドリフトにもどんどん挑戦してみて下さい。

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