吉田進のパワーリフティング最短距離 第2回 - MEGA POWER -




第2話 基本2種目

ここからは私が大事だと思うことを書いていきます。
当然ほかの方が言うことと違うかもしれません。
パワーハウスで私は25年間、たくさんの初心者を短い時間で強くしてきました。たくさんの全日本チャンピオンや中には世界で通用する選手も育ててきました。
これしかない、とは言いませんが、パワーリフターへの最短距離と私が自信を持っている方法です。

1. 初心者への指導

まず初心者はいきなり沢山のことを覚えられません。
ジムに入会しただけで、緊張しています。いきなり沢山のことを言われても、覚え切れません。
私が大切にしているのは、基本中の基本を体で覚えることです。言葉ではありません。動き、体のどこがどんな感じなのかを感じ取ってもらうことです。
種目も少なければ少ないほどいいです。始めからベンチプレッサーを目指す人、そういう人なら最初はベンチプレスだけ。そうじゃない人は全身を鍛えるという意味で、スクワットとベンチプレスだけ。その2種目を大切にします。

2. 基本のスクワット

パワーハウスでは体の後ろ側の筋肉を使うことを最初に覚えてもらいます。
これは日本人には難しいのです。日本人の多くは体の前側の筋肉を使うのが得意です。足でいえば大腿四頭筋。日本人は自然と大腿四頭筋を多めに使った立ち振る舞いをしている場合が多いようです。スクワットをすると、ひざをかなり前に出した、背中の直立したスクワットになりがちです。

でも、パワーリフターを目指すにはこれでは駄目です。体の後ろ側、大腿二頭筋と大殿筋を使うべきなのです。短距離走の早い人はこの部分が発達しています。とはいっても、この部分を多く使うスクワットはそうそう簡単には出来ません。それを早いうちに覚えてしまう、これがポイントです。

やり方は典型的はパワースクワット。それを覚えます。尻を斜め後ろに突き出し、ひざは極力前に出さず、背中は45度ぐらいまでなら前傾させる。これは新しい経験になります。次の日、大腿二頭筋に強い筋肉痛が出ればしめたものです。
そのフォームは時として、極端すぎるものになりますから、徐々にその人に合ったフォームに直していきます。本人にとってもやり易いフォーム。見ていて不自然さのないフォーム。そういう方向です(ここではコーチの経験と勘が物を言います。)
このスクワットだけで体の後ろ側の筋肉はかなり広くたくさん鍛えられます。のちのパワーギヤの効果的な使いこなしにも絶対に必要です。

3. 基本のベンチプレス

これも、パワーベンチです。
程良いブリッジ、程良い肘の絞り、胸のやや下におろす感覚、足の突っ張り、肩甲骨を寄せる感覚、これらを学んでいきます。パワーベンチだけで、上半身のかなりの部分の筋肉を使うことができます。これが最初に学ぶことです。

このタイミングを逃すと、後でパワースクワット、パワーベンチに変えていくのには相当の時間と労力がかかります。最初に覚えてしまうと、自分の体が勝手に動いてくれるようになります。

bk2_prev.gif

ページの先頭へ