吉田進のパワーリフティングのこつ 第5回 - MEGA POWER -




第5回「スクワットこだわり講座1 バーベルを担ぐ位置に関して」

今回はスクワットのフォームと担ぐ位置に関係に関してのお話です。

1. パワースクワット

スクワットを行う際に腰の付け根にかかる力のモーメントは、二つの方法で減らすことが出来ます。
 1. 背中の前傾角度を少なくする
 2. バーベルを担ぐ位置を低くして、腰とバーベルの距離を小さくする
と言うことでパワースクワットでは、バーベルを低く担ぎつつ、背中の前傾角度を小さくすることによって、腰の負担を小さくする方が有利になります。
もちろん腰や背中の極端に強い選手はかなり前傾しても平気ですが、一般的な選手を対象にすると、そう言うことなのです。

シャフトの位置 その1と言うことで、パワースクワットでは左の写真のように、バーベルを低く担ぎます。感覚的には僧坊筋の下の方です。
色々やってみるとバーベルが落ちつき、余り痛さを感じない部分があります。そこです。
バーベルを余り下のほうに担ぐと、バーベルが落っこちて危ないと言うことで、ルール上では制限があります。

シャフトの位置 その2右の写真が(感覚的ですが)ルールで言う下の方ぎりぎりでしょう。低く担ぎすぎると特に歩くときに不安定になります。でもスクワット自体は安定します。問題は低く担ぎすぎると、スタートとフィニッシュの時の前傾角度がきつくなると言うことです。
一枚目の写真ぐらいを目安に担いで下さい。

2. 体が固い場合

上半身の関節が硬いと、バーベルを低い位置で担ぎにくいものです。肩が苦しい、肘が痛くなる、手首が痛いなど色々な悪影響が出ます(手首はリストラップをすると言うことで保護できますが。)普段から上半身を柔らかくするためのストレッチが大切です。
でもどうしてもパワースクワットが辛い人はやや上の方で担ぐしかありません。

シャフトの位置 その3左の写真ぐらいで試合に出ている人もいます。世界の因幡さんも大体こんな感じです。ただし、高い位置で担ぐと、次のような問題が出ます。
 1. 重たいバーベルを担いで歩くときに不安定
 2. 前傾して背中の力を使うことが難しくなる
逆に言うと、背中の弱い人はやや高めに担いで、背中の前傾を極力無くし脚の筋肉で立ち上がるようにすると良いでしょう。

シャフトの位置 その4右の写真は意図的に僧坊筋の上の方で担いでいます。
これはハイバースクワットと言われ、背中をほとんど前傾させないで、大腿四頭筋に効果があるスクワットとなります。
基本的には試合用のスクワットではなく、パワーリフティングでは補強用のスクワットとして用いられています。

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