吉田進のパワーリフティングのこつ 第9回 - MEGA POWER -




第9回「ベンチプレスこだわり講座2 横の反りについて」

前回は、ベンチプレスにおける体の反らせ方のうちのひとつ、「縦の反り」についてお話ししました。今回はもうひとつの反らせ方、「横の反り」を中心にお話ししていきたいと思います。

1.「横の反り」

背骨に対して直角の方向に体を反らすことを「横の反り」と呼んでいます。
左右の肩甲骨をくっつけるようして胸を張ってみてください。横方向のアーチが形作られます。一見すると地味ですが、これが意外とベンチプレスの距離を短くするのに役に立つのです。
また肩甲骨を寄せることにより、肩幅を小さくすることができるので、いっそうベンチプレスの挙上距離は短くなります。
下の2枚の写真を見比べてみてください。

「横の反り」1→.「横の反り」2

「横の反り」があるときと無いときの違いがよく分かるかと思います。

最初はあまり肩甲骨が動きません。だから、時間をかけて肩甲骨周りを柔らかくしていきましょう。
ストレッチは重要です。普通のストレッチで構わないので、肩と肩甲骨周りを毎日ストレッチしてください。

さらに肩甲骨を寄せる感覚と、その姿勢を保持する筋肉を養う必要もあります。
両腕を前方に出し、腕を伸ばしたまま肩甲骨を寄せたり離したりを繰り返します。慣れてくると、背中のどこを意識すると肩甲骨が寄るのかわかってきます。
これも毎日やってください。徐々にすっと楽に肩甲骨が寄るようになります。

最終的には、その寄せ方を実際にベンチ台に寝た時にもできるようにしてください。
バーベルを握ったまま、手で左右に押し広げるようにすると、肩甲骨を寄せやすくなります。

2.「反り」とベンチシャツ

「反り」とベンチシャツベンチプレスにおける「反り」は、ベンチシャツの効果を大きく引き出すためには絶対に必要なテクニックです。
最近のベンチシャツは生地の伸縮性がほとんどなく、極限まで硬くなっています。シャツが硬くなればなるほど、その稼働域は狭くなっていきます。しかし、挙上距離の短いベンチプレスができていれば、そんな硬いシャツでもルールに合ったベンチプレスをすることが可能なのです。

3. 腹ベンチ

ところで、「縦の反り」が大きくできるようになると、胸より腹のほうが高い位置に来ます。ということは胸より腹にバーベルを下した方が距離が短くなるということです。それを禁止するために、バーベルを腹におろすことはルール上、違反となっています。
では、どこからが胸でどこからが腹か?というと、現状では、みぞおちの骨にバーベルが当たっていればいいという解釈がなされています。
(判定は難しいのですが…。)

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